賃貸募集図面の建物構造欄にある「RC」や「SRC」「鉄骨」「木造」「ALC」の意味をご存知でしょうか?
一見読み飛ばしてしまいそうな箇所ですが、建物構造は住み心地の重要な指標となりますので、しっかり理解しておきたい項目です。
建物の構造を知ると入居後の生活イメージも更に深まります。
1.建物構造の種類
RCとは?
RCとは・・・鉄筋コンクリート造の略で、柱や床、壁、天井などが鉄筋コンクリートで出来ている構造のことです。
お隣さんとの壁が木ではなく、頑丈なコンクリートとなっています。
マンションでよく採用されている構造です。
SRCとは?
SRCとは・・・鉄骨鉄筋コンクリート造の略で、鉄筋コンクリートに鉄骨が加わり、更に頑丈になった構造です。
あらゆる構造の中で最も耐震性、耐火性に優れています。
大型マンションやビルに採用されていることが多いです。
RC・SRCのメリット・デメリット
RC・SRC造のメリットは、建物が頑丈で地震などの揺れに強く、耐火性、遮音性が高いことです。
デメリットは、木造・鉄骨造に比べて家賃が高いことです。
木造とは?
木造とは・・・主要な部分を木で作られた建物のことです。
戸建てやアパートに多い構造になります。
鉄骨造とは?
鉄骨造とは・・・骨組みが木ではなく鉄骨で作られた建物のことです。S造(スチールのS)と記載されることもあります。
鉄骨造は鋼材の厚みにより「重量鉄骨造」と「軽量鉄骨造」の2種類に分けられます。
木造、鉄骨造のメリット・デメリット
木造・鉄骨造のデメリットは、地震などで揺れを感じやすく、耐火性・遮音性が低いことです。お隣さんの声やテレビなどの生活音が丸聞こえということもあります。
鉄骨造の方が木造よりは遮音性・耐震性に少しだけ優れているようですが、柱が木か鉄骨かの違いになりますので、遮音性は期待できないと考えた方が良いでしょう。
メリットは、RC・SRC造に比べ家賃を抑えられることです。また、デメリットと取られがちなお隣さんの生活音が、一人暮らしでは、寂しさを紛らわせるメリットとなることもあるようです。
ALCとは?
図面にALCという記載を見かけることもあるかもしれません。
ALCとは・・・軽量気泡コンクリートの略で、外壁材などの種類になります。
ALCと書かれてある建物の構造は主に鉄骨造で、軽量鉄骨ALC工法の場合は防音性能がやや高めになります。
2.RC造は防音性に優れているのか?
子育てファミリーや音響好きな方は、近隣への音が気になりますよね。
構造の特徴をみると、遮音性の高いRC・SRC造を選べば音に安心のように思えますが、それ以外にも見落としがちなチェックポイントがあります。
床の施工方法の確認
RC・SRC造でも直床・置床などの床の施工方法によって階下への音の伝わり方が違ってきます。
・直床とは・・・コンクリートの上に直に床材が施工された床のこと。
・置床とは・・・コンクリートと床材の間に空間を置いて施工された床のこと。
直床の場合は、コンクリート直に床のため、上階の歩く音が問題になりがちです。特に子どものトコトコと走る音がよく響いてしまうようです。
RC造なら安心、という訳ではありませんので、内見の際には床の施工方法についてもチェックしてみてください。
直床と置床の違いは、内見の際に見方をお伝えします。
その他にも、壁のコンクリートの厚みによっても音の伝わり方が変わりますし、築年数が経過したマンションの中には、お隣さんとの間の壁がコンクリートブロック積みということもありますので、要チェックです。
3.快適な暮らしのはずが・・・
集合住宅でよく問題になるのが、音トラブルです。
理想のお部屋で新生活をスタートしたのに、近隣からの音クレームに悩まされる、その逆に近隣からの音に悩まされる、なんてことになってしまうと、快適に暮らせなくなってしまいます。
特に小さな子どもを抱える子育てファミリーは、音トラブルにあうと対応に苦慮してしまいます。
音は人により感じ方が異なるため、このお部屋なら絶対大丈夫とは言えませんが、事前に想定できるリスクを回避しておくことは重要だと思います。
4.まとめ
建物構造を知ると様々なことが見えてきます。
お引越し後に後悔しないためにも、間取りや設備だけではなく、ぜひ建物構造もチェックしてみてください。